
ただ、過去問でしっかり対策すれば何とか合格ラインに入れそうな感じもします。

以前に2020年度の試験について記事を書きました。
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電験二種の二次試験は易化してる?過去10年間の合格推移と2021年予想
今回も合格率・合格者数推移、得点調整と実際に2021年度の試験問題を見ながら、いろいろ考察していきます。
目次
合格率・合格者数・得点調整の推移
過去10年の推移は以下の通りです。
合格率
2021年度の合格率は 17.16%、2020年度の27.91%より10.75%も下がりました。
真ん中のオレンジの点線は過去10年間の平均値で 16.68%です。
前年度の10年間平均値 16.09%から 0.59%上がっています。
合格者数
受験者数が過去10年間を通して同じような数なので、合格率と似たような推移になっています。
2021年の合格者数は413人、2020年度は 701人なので288人の減少です。
過去10年間の平均合格者数は 409人、こちらは昨年の10年間平均 390人から 19人上がりました。
この数字だけを見ると大量に合格者を出した2020年度に比べて、2021年度は合格者をキュッと絞った感じがします。
ただ、平均値に近いとはいえ、過去から見ると継続して合格者数は底上げされています。
得点調整
折れ線が合格点、棒グラフが平均点調整です。
2021年度の合格点は102点、平均点-5点でした。
通常は180点満点中の108点、つまり60%以上で合格です。

2科目両方とも各科目で平均点以上、今回は平均点よりー5点を上回る必要があります。

平均点より-5点以上、かつ2科目合計が合格点に達してれば合格ということです。

ちなみに管理人が受験した2020年と前年の2019年は2年連続で得点調整がありませんでした。
点数による考察
数字だけ見るとですが
- 2020年に合格者が爆増した帳尻あわせに試験問題を難しくした
- でも、一定の電気主任技術者を確保すべき
という事情が見えなくもないです。
2021年度の試験問題を見た感触
1年前の予想として不足する電気主任技術者を増やす目的で、2021年度の試験が易化するかもと管理人は予想しました。
例年の中で問題の難易度としてはどうだったんでしょう。
電験アベンジャーズの末席として解答速報作成に参加した時の感触もふまえて、あらためて試験問題をじっくりと見てみました。
電力・管理
- 火力発電の大気汚染物質の発生原因、対策および原理(論説)
- 変電所における雷サージ対策(論説)
- 三相回路の故障電流、インピーダンス、発電機の最大容量(計算)
- 分散形電源の系統連系についてベクトル図、関係式、線間電圧値(計算)
- 地中送電線の絶縁劣化診断と事故点測定法(空欄穴埋)
- 同期発電機の速度調定率(計算)
問1と問2は完答できないにしても、オーソドックスな問題なのでいくらかは点数を稼げそうです。
問3は(2)以降の計算が思いつかないので難問確定。
実際に受験していたら、たぶんパスします。
問4は類問を見たことがあるので頑張れば解けそうな気も。
でも、計算量が多そうなので計算間違いの危険性が高いです。
よってこれも難問です。
問5は完答できないにしても部分点は取れそう。
問6は過去問であったはずなので、頑張れば完答できるかも。
ただ、速度調定率は問題集の中でパッと見、水力発電の項に入っています。
過去問演習で「今年は火力だから~」と、省略していたら頭が真っ白になる可能性が出てきます。
よって、管理人が6問中4問を選択するなら、まず問1. 2で問4. 5. 6は迷うところです。
問4. 6が全体的な立式が出来そうなら挑戦しますし、ムリそうならば5で補います。
機械・制御
- 三相かご形誘導電動機の諸量(計算)
- 変圧器の諸量(計算)
- チョッパ回路の諸量(計算・論説)
- フィードバック制御系(計算)
問4は時間がかかりそうだけど、頑張れば解けるかもです。
問1は最大滑りの導出問題があるので(5)と(6)が強敵です。
でも、1種の過去問で似たような問題を見たことがあります。
問2は(1)~(3)までは解けそうだけど(4)の解法がパッと思いつきません
問3は問題を見た瞬間に撤退です、予想通りに。笑
なので、まず問4を選択して最初に解きます。
次に問1が(5)と(6)の立式ができそうなら1を選択します。
ダメそうなら2の(4)以外で完答を目指します。
結論
と、いう訳で電力管理も機械制御も半分くらいは解けそうといったところでしょうか。
選択した計算問題については過去問演習が出来ていれば完答ができそうな感じもします。
論説は『キーワードで覚える』に載っていることを書けば、いくらかは部分点が取れるでしょう。
『キーワードで覚える』の活用方法については、こちらでも紹介しています。
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電験二種 二次試験の論説対策はコレだけ!キーワードの120%活用方法
結論としては、全ての問題は簡単ではありませんでした。
でも、過去問に取り組んでいれば何かしらは書けるという結論とします。

とっくに受験の現役を退いているので、実際にやってみたら解けないかも知れません。
それに試験本番の泣きそうな緊張感の中だと、普段なら解けてても実際にはペンが止まる可能性もは十分にあります。
2022年度の予想
今年も性懲りもなく2022年度の難易度予想をしてみます。笑
2021年度の試験を見ても、2022年度も問題自体の易化はなさそうです。
でも、電験二種の電気主任技術者を増やしたいという思惑がまだ続くと思われるので、直近だけ見れば試験の極端な難化はないでしょう。
いずれにしても、2022年度の二次試験も特定の過去問を完璧にすれば合格ラインは超えられると予想しています。
まとめ
2021年度の試験について、昨年と同じように新制度の平成7年~令和2年までの過去問をしっかりと攻略していれば合格できた試験だと判断します。
2021年度の難易度予想は少し外れましたが
「今年の二次試験は難しいかも」とか
「一次試験は初めて、またはリセットされて4科目復活したからボチボチやって来年に頑張ろうかなぁ」
と、弱気になってはいけません。
電気主任技術者不足の追い風が吹いているうちは極端な難化は考えにくいので、取れるうちに取っちゃいましょう!