
出そうなところ、再現性が高い問題に力を入れてみてはいかがでしょうか。

今回は2021年度(令和3年度)の機械・制御について、過去問をふまえて出題される、または出なさそうな問題を予想してみました。
二次試験への参考にしてください。
この記事を読んで欲しい人
- 電験二種を受験する人
- 二次試験の勉強範囲が広すぎて困っている人
- 電験二種に最小の努力で合格したい人
- ピンポイントで学習して得点を取りたい人
目次
今年は機械・制御年?
電力・管理と機械・制御の難易度変化について1年ごとに交代すると聞いたことがあります。
つまり2020年は電力・管理、2019年は機械・制御が解きやすい年になるということです。
たしかに2020年の電力・管理は過去問コピーの論説が出ましたし、水車の回転速度、受変電設備の力率改善などの取り組みやすい計算問題が多かったです。
2019年の機械・制御も過去問を攻略できれば、クセの少ない問題でした。
なので、今年は機械・制御科目をしっかりやり込めば、かなりの得点源にできる可能性はあります。
四機
過去の傾向
機械・制御の問1と問2は回転機と変圧器のいわゆる4機から出題されます。
2009年以降の問1、2を表にしてみました。
年度 | 問1 | 問2 |
2020年 | 誘導機 | 単相変圧器 |
2019年 | 誘導機 | 3相変圧器 |
2018年 | 誘導機(論説) | 3相円筒形同期発電機 |
2017年 | 同期3相円筒形同期発電機 | 単相単巻変圧器 |
2016年 | 誘導機 | 単相変圧器 |
2015年 | 同期発電機 | 変圧器 |
2014年 | 誘導機 | 円筒形同期発電機 |
2013年 | 誘導機 | Ⅴ結線変圧器 |
2012年 | 他励直流電動機 | 同期発電機 |
2011年 | 誘導機 | スコット変圧器 |
2010年 | 円筒界磁形同期発電機 | 単相変圧器 |
2009年 | 誘導機 | 変圧器 |
回転機
上記の表を見ても
- 直流機がそろそろ出るかも
- 誘導機は頻出
- 同期機が2年間出ていないから出題濃厚
- 論説が過去12年間で1問だけ
ということが分かります。
誘導機
誘導機は頻出問題ですが、2020年度は『回転速度と周波数を導出』という過去問にない割りと風変わりな問題でした。
なので、今年に出るとしても過去既出の類似問題が出る可能性があります。

同期機
2年に1回は必ず出題されていた同期機ですが、ここ2年出ていません。
ということは今年出る可能性が、かなり濃厚です。
管理人は同期機が苦手でしたが、「2020年は出るだろ!」と電験1種の過去問まで手を付けて何とか克服しました。
詳しくは以下記事の下のほうで説明しています。
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【2022年度版】電験二種 二次試験を一発合格するための過去問題集!

直流機
直流機は2012年、2005年、1998年、1995年に出題されてます。
8年間も出てないから、そろそろ登場してもおかしくありません。
ですが、世の中のモーターの大半が誘導機、最近は永久磁石を用いた同期電動機も増えています。
なので、直流機は今年も出ないかも知れません。

変圧器
鉄損、銅損、効率など
2020年は過去問に似たような問題が出ました。
なので今年は変わり種が出てくる、または全く出ないと管理人は予想しています。
効率は2020年と2019年に連続して出たので、今年は出ないとにらんでます。
でも、鉄損、銅損の導出を含めて変圧器は解きやすい問題も多いです。
なので、まさかの連続出題に備えて、きっちり抑えておいた方が無難です。
単巻, スコット or V結線
変わり種と言えば、単巻変圧器は2017年、V結線は2013年、スコット変圧器は2011年に出ています。
今年はどれが出ても不思議ではないです。
ただ、順番的にV結線かスコット結線かなと管理人は予想します。
なので、1年目など余裕がなければ単巻変圧器はノータッチというのも手です。

制御
こちらも大問と小問で表にしてみました。
年度 | 大問 | 小問 |
2020年 | フィードバック制御 | 定常速度偏差、減衰係数に基づく値、応答と定常速度偏差の変化 |
2019年 | フィードバック制御 | 伝達関数、単位インパルス応答 |
2018年 | 2自由度制御系 | PID名称、ボード線図、伝達関数 |
2017年 | RLC直列回路 | ブロック線図、固有各周波数、減衰係数 |
2016年 | 現代制御 | 固有値、入力値、状態方程式、定常値 |
2015年 | フィードバック制御 | 伝達関数、連立方程式、定数の値 |
2014年 | フィードバック制御 | 伝達関数、定常偏差、最終値、発散の証明 |
2013年 | 誘導機 | 単位インパルス応答、伝達関数、安定条件、定常速度偏差 |
2012年 | フィードバック制御 | 出力応答、伝達関数、定常速度、時定数、安定条件 |
2011年 | フィードバック制御 | 伝達関数、補償器の係数、PID名称、PID条件式 |
2010年 | フィードバック制御 | 安定限界の角周波数、偏差振幅、補償器名称、ゲイン特性図示 |
2009年 | フィードバック制御 | 伝達関数、角周波数 |
省略ポイント
はっきり言って、ここではあまり省略できません。
なぜかというと制御は各大問につき、小問が多いからです。
私は2020年の自動制御は小問が6問あり、ほぼ30分丸々取られました。
小問が多いということは、1問当たりに掛ける時間が少なくなります。
なので、長い時間を掛けて解く問題はほとんどないです。
つまり、1問につき時間が取られないので、省略するメリットがそこまでないということです。
2020年もそうでしたが、制御は過去問の組み合わせの傾向があります。
なので、自動制御はまんべんなく広範囲の問題に当たるようにしましょう。

でも、再現性が高い問題が多いのと、慣れるとパズルみたいで楽しいですよ。
変わり物
2017年のRLC回路や2016年の現代制御は今までとは一風変わった問題です。
両方とも今年はそろそろ出てもおかしくないので、この辺も外せないところです。
現代制御は一見で取っつきにくいですが、電験1種の問題をやってようやく何をやっているか分かってきました。
1種の現代制御は2種の自動制御が解けるレベルであれば、難しすぎない問題もいくらかあります。
なので、時間があれば、是非やってみて下さい。
私はおススメします。
そちらも以下記事の下のほうで説明しています。
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【2022年度版】電験二種 二次試験を一発合格するための過去問題集!
パワエレ
他の記事でも書いているように、1年目や機械・制御自体に自信がなければパワエレをやらないと言うのも立派な戦略です。
なぜなら、似たような問題が出ないからです。
ただ、捨てる代わりに、その他のところは完璧にしていきましょうね。
2年目以降であれば、簡単な問題から手を付けていくのもアリですね。

まとめ
今回は機械・制御の傾向を見てみました。
機械制御は計算が多くて、特に自動制御は最初は取っつきにくいです。
なので、マスターするのに時間も掛かります。
ただし、計算が多い反面で満点も取りやすいので、しっかりやっただけ跳ね返ってくる科目ではあります。


機械・制御は抜けがないように確実に穴を埋めていきましょう。
2021年の他の問題予想については、こちらでご紹介しています。
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2021年度の電験二種 二次試験の出題について予想してみた【発電編】
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2021年度の電験二種 二次試験を逆予想【電力管理 計算問題編】
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2021年度の電験二種 二次試験を過去傾向から分析予想【論説編】
良ければご参照ください。