ここでは第二種電気工事士試験に特化した対策をご紹介します。
始めに断っておきますが、学科試験の対象は電験三種を取得済、または取得予定の方を対象としています。
技能試験については電気施工の初心者向けです。
管理人が『2022年度に受験するなら』と言う目線で書いていきます。
目次
筆記試験
おススメの参考書は人それぞれ学習してきた背景で異なります。
あと、なるべく最新の情報を入手してください。
いつまでも古い情報をおススメしているサイトもあります。
なぜなら試験の傾向は変わっていくからです。
管理人の背景
私の2017年の電気系試験の受験歴は以下の通りです。
2017年9月 電験3種 4科目受験
2017年10月 第二種電気工事士 筆記試験(合格)、12月 技能試験(合格)
電験三種の再チャレンジ1年目に第二種電工を受験しました。
参考までに電気の回路計算を始め、電験の知識は浅くても一通り入っている状態です。
ちなみに電験三種の結果は理論、電力、機械の3科目はギリギリ合格、法規は不合格でした。
電験三種との併願
電験取得も視野に入れていれば、第二種電気工事士と電験三種を同年度に受験するのも意外な効果があります。
そちらは以下で説明しています。
-
-
電験三種と電気工事士を同年に受験してみよう!意外な共通点と効果とは!
試験の申込時に電験の免状を取得していれば学科試験は免除されます。
念のためですが、今回の記事はムリに筆記試験を推奨するものではありません。
ご自身のスケジュールと相談して無理のない挑戦をしましょう。
試験の情報
試験日
筆記試験は例年として
上期・・・5月下旬~6月中旬
下期・・・10月上旬~下旬
にあります。
もし電験と併願して下期に受験するなら10月が筆記試験日となります。
2022年の試験は
学科試験
上期・・・5月29日(日)
下期・・・10月30日(日)
となります。
試験形式
試験形式としては
- 問題数: 50問 配点: 1問2点の100点満点
- 合格点: 60点(100点満点中)
- 解答方法: 4肢択一のマークシート方式
- 試験時間は2時間
です。
試験時間は割りと長めですが、ガチ勉すれば見直し込みで1時間で退出できます。
本試験の特徴としては
- 暗記問題が約8割、計算問題が約2割出題
- 過去問題のコピーや類似問題が多い
となっています。
合格する為に
これらの情報から
- 50問中30問以上取れれば合格
- 極論として5割ていどしか理解してなくても残りは運で合格できることも
- 過去問を何周もやって分からない所をつぶしていけば必ず合格できる
ということが分かります。
合格すると
筆記試験に合格すると2次試験である技能試験に進めます。
実施されるのは筆記試験から約2か月後です。
合格発表からだと技能試験まで1ヶ月ほどしかありません。
自己採点して手応えがあったら、筆記試験後すぐに技能試験の練習に取り掛かりましょう。
技能試験で合格すれば電気工事士試験に合格となります。
技能試験に落ちても翌年まで筆記試験は免除されます。
合格作戦
得意分野により3択
最新(2021年度)の問題を確認してみました。
問題の構成として、計算問題が全体の22%です。
電験三種の練習に出てきそうな計算問題が
- 理論: 10%
- 電力: 4%
- 機械: 2%
- 法規: 6%
あります。 残りの78%については
- 電力または機械の論説: 2%
- 法規論説: 18~24%
- 器具・配線問題、施工など電工独自の問題: 52~58%
となっています。 合格するためには得意分野によって大まかに
- 暗記型: 暗記で8割以上取って計算を捨てるか
- 計算型 計算問題で8割以上取って残りを暗記で補うか
- 両方型: どちらも6割以上取るか
の3つになると思います。
管理人は先に電験三種を学習し、予備知識があったので3番でいきました。
ぶっちゃけ、マークシートなので猛勉強すれば、計算が全くダメでも1の暗記型でも何とか合格できます。

おすすめテキスト
管理人の使用テキスト
管理人が実際に学科試験用に使用していたテキストはこの2冊です。
- ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すい~っと合格
- すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問
感想としては、電験三種の基礎知識があって、筆記試験に合格するだけなら『すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問(以下、ハンディ)』のみで十分です。
管理人は電験三種の法規もあるていど学習していたので、『ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すい~っと合格(以下、すい~っと)』の参考書部分はパラパラっとしか見ていません。
電気工事に関する基礎知識がなかったり、計算に自信がなければ『すい~っと』から始めるべきです。
ちなみに点数は記録していませんが、この本2つを利用して90点以上は取れました。
ただ、赤のハンディは小さい反面、器具や配線の写真が見にくいのが少し欠点だと感じました。
最初に『ハンディ』を使ってみて、写真や解説が見にくければ『すい~っと』で補強していきましょう。
10年分の必要性


ハンディの過去問は10年分載っています。 感想として過去5年分ほどをしっかりやっていれば合格できますが
- 過去問のコピーや類似問題が多い
- もし落ちたら、また受け直す費用や手間が発生する
- 試験の急な難化にも対応できる
ことを考え、かつ試験に自信がなければ少し時間を使ってでも10年分やっておいた方が良いでしょう。
3年分の過去問題集を完璧にするのもアリですが、値段も100円くらいしか変わりません。
落ちてまた受けなおすことを考えると、まだ10年ものを入手して5年分以上やるほうがベターです。
技能試験の準備
目安ですが過去問を全体的に8割以上解けるようになってきたら、問題演習はそこそこに技能試験の準備をしていきましょう。
筆記試験後だと工具や配線器具が売り切れることもあります。
あるていど筆記試験の手応えを感じ始めたら、早めの購入をおススメします。
技能試験
試験の情報
試験日
技能試験は筆記試験の1.5~2ヶ月後に開催されます。
もし電験と併願して下期に受験するなら12月が技能試験日となります。
令和4年度の試験について
技能試験
上期・・・7月23日(土)または7月24日(日)
下期・・・12月24日(土)または12月25日(日)
となっています。
上期でも良いですが、試験日が5月~7月になるので電験と併願するとスケジュールが重なってしまいます。

試験時間
試験時間は40分間です。
理想としては20~30分で施工完成して、5分ていどで欠陥がないかを確認します。
受験した感想としては、第二種は練習すれば確認込みで30分ていどで完了できます。
ただ、問題にもよると思いますので運次第なところもあります。
自慢にならないですが、管理人は施工完了したときに5~10分ほど余りました。
候補問題
全部で13問の候補問題が公表されています。
そこから1問が選択されて出題されます。
なので試験当日まで、どの候補問題が出るかは分かりません。


候補問題がそのまま出ることもあります。
ですが、たまに配線が変わったり、器具の位置が入れ替わることもあります。
なので、候補問題と丸っぽ同じとは思わない方が良いです。
試験では問題文をちゃんと読む力も試されます。

合格のコツ
落ちたくなければ
- 手早い複線図作成
- 候補問題の繰り返し施工で体に染み込ませる
- 欠陥工事をしない
この3つを肝に命じてください。
手早い複線図作成
複線図は最初は「ナニコレ?」状態でしたけど、練習すれば書けるようになります。
というか、実技試験は複線図が書けないと合格できません。

複線図を書くのに管理人は電験学習にノートを取るクセで黒・赤・青・緑の四色ボールペンを使って書いていました。
赤線も3心線でよく使いますし、緑色はアースで使いました。
非接地線や黒線は黒字、接地線や白線は青字で書いたりと色を使い分けます。
そうすれば、配線を組み付ける時もどの線同士を結合するのか見やすくて楽です。
複線図の書き方については後で最適なサイトをご紹介します。
候補問題の繰り返し施工で体に染み込ませる
管理人は候補問題を2~3周はやりました。
筆記試験と同じで最初は簡単な輪作りするだけでもすごい時間が掛かったりします。
1周目の最初のほうは1作品完成させるのに1時間以上掛かっていた記憶があります。

でも、慣れると20分前後で完成できるようになります。
欠陥工事をしない
簡単に言うと
- 寸法取りも含めてちゃんと図面通りに接続する(配線の50%以下の誤差はOK)
- 余分な心線をむき出しにしない
- ネジ止め部や接続部に被覆をかみこまない
- リングスリーブから心線を出し過ぎない
- 差し込み形コネクタから先端から心線を出す、下端で心線が見えない
- ネジ止め、圧着をしっかりする
これらを気を付けていれば欠陥は無くせます。
使用した工具、電線・器具
工具
工具はホーザン(HOZAN)の工具セットを使いました 。
2017年当時の品番はDK-18でしたが、今は後継のDK-28となっています。
内容としてはDK-18と全く同じです。
候補問題のハンドブックが付いているので、隙間時間に複線図を書く練習もできました。
工具はこれだけで、買い足しはなかったです。
DK-28は第二種電気工事士の技能試験合格用に特化した工具なのでおススメです。

ただ、第一種電気工事士試験のKIP線などは電工ナイフでは被覆をむきにくいです。 一種まで視野に入れているならストリッパは使いこなしておくべきです。
器具・配線
当然ですが、バラバラで買うよりセットの方が安いです。
それに慣れない試験なので、バラ購入で迷っている時間があれば施工練習に時間を使ってください。
やっていれば足りないものが分かってくるので、都度買い足せばよいです。
2017年当時は器具と配線もジェイメディアネットでDVD動画付きの準備万端セット(練習2回分)を購入しました。
ただ、DVDはパソコンが目の前にある環境じゃないとやりにくいです。
その点、スマホで施工を見ながら出来ばえを確認するほうがやりやすかったです。
もし、今から二種電工を受験するなら工具はDK-28と器具・電線は電材王で1回分でそろえます。
DVD付きと無しを分かりやすく表にしてみました。
商品名 | 解説動画 | 練習回数 | 価格 |
準備万端 | あり(DVD) | 1回分 | 15,500円 |
2回分 | 20,500円 | ||
3回分 | 26,800円 | ||
電材王 | なし | 1回分 | 13,850円 |
2回分 | 18,980円 | ||
3回分 | 23,980円 |
おすすめの電材王のみリンクを載せておきます。
【13問 1回分】
【13問 2回分】
【13問 3回分】
電工動画
今は優良な動画もいっぱいあるので、購入するのは器具・配線セットだけでDVDは買わなくても良いでしょう。
候補問題はゼキザップさんの動画が分かりやすいので、そちらで施工確認しましょう。
複線図の書き方や輪作りなどの加工も丁寧に説明していますので、電工受験生にとって非常にためになるサイトです。
ケチケチ施工
1度の施工で使った配線は捨てるのがもったいなかったので再利用して短くなるまで使っていました。
例えばですが、20センチ未満になった配線でも形式上20センチとして計測(想定)して、組み立てて使ってました。

15センチ未満とかになったら輪作りの練習用にします。
輪作りも3、4回はできるので、そこで初めて捨てます。
2~3周くらい候補問題をやりましたが、配線セットは1.5回分以上は余ってました。
なので、購入時から0.5回分も使ってなかったことになります。 第二種で止める人でケチケチ施工をする人は1回分で十分です。
それに大きなホームセンターに行けば、VVF1.6mmの2心や3心などのケーブルは売っています。

買い足したもの
リングスリーブや連用取付枠だけは買い足しました。
リングスリーブは毎回使い捨てですが、連用取付枠は開閉ができるので何回か繰り返し使えます。
ですが、マイナスドライバーで開閉しているといつかポキっと折れます。
どちらもホームセンターにあるので、後で必要になってから買い足しでも良いでしょう。
買って良かったもの
いくらか余分なものも買ってしまいましたが重宝したものもあります。
それは合格配線チェッカー(Z-222)です。
技能試験は初めてでしたので、最初は配線結合や組付けが合っているか分かりません。
施工がド素人でしたので、なおさら不安でした。
接続に問題がないと通電ランプが付くので「やったー!」と自信になります。
最後の方はほとんど使いませんでしたが、初心者にはオススメします。
まとめ
第二種電気工事士に合格するには
- 学科対策は何周もして分からない所をつぶす
- 技能試験は欠陥に注意して、工具が手になじむまで練習する
と、これが一番効果が高いです。
十分に準備して確実に合格しましょう。