
意外な効果も得られますし。

電験ってハードルが高そうだから電気工事士試験と比べたら後回しにしたくなりますよね。
いや、実際に高いんですけどね。
今回は管理人の取得した経歴を踏まえて、電工と電験を取得する順番は適正だったのかを考察します。
目次
管理人の受験歴
私の2017~2018年の電気系試験の受験歴を時系列に並べてみました。
2017年9月 電験3種 4科目(法規以外取得)
2017年10月 第二種電気工事士 1次、12月 2次(合格)
2018年8月 エネルギー管理士 4科目(合格)
2018年9月 電験3種 法規(合格)
2018年10月 第一種電気工事士 1次、12月 2次(合格)
こうやって見ると電験三種やエネ管をメインとして、その年の締めくくりに電気工事士を受験したという感じです。
最初に電験三種を受けた理由
ただの無知
理由は特になく、単に電気系資格の存在を知らなかっただけです。
どれくらいか無知かと言うと、35歳を過ぎるまで電験、電気工事士、エネルギー管理士を聞いたことがありませんでした。

電工とエネ管に興味を持ったのも、電験三種に再チャレンジした2017年以降です。
プラスαで合格
電験三種の学習があるていど進んで、「電験に合格できるかも」という予感がしてました。
なので、「頑張れば第二種電工も取れそう」と他の資格に挑戦する余裕が出てきたのが始まりでした。
そこから「電験の付け足しで取れるかな」と続けざまにエネ管、第一種電工、ついには電験二種にまで手を伸ばしていきました。
意外な効果も
電験の試験が終わると4月ごろまで勉強をお休みする人も実際に周りにいました。
なので、下期の電工試験を受験したのは私としては正解でした。
冬季に電工を受けることで学習の習慣が途切れないという良い効果もありました。
12月の実技試験が終わったら、翌年がチラリと見えてくるので「サボってる場合ではない!」という気になれました。
おかげで1年を通して『何かに取り組む継続力』が身に付きました。
難易度を比較
電験三種と電工1・2種の難易度を比べてみても数値化は難しいです。
偏差値
よくある偏差値ランキングを見てみると
偏差値
電験三種: 58~57
第一種電気工事士: 57~52
第二種電気工事士: 47~44
です。
ちなみに管理人が持っている通関士は電験三種と同じくらいの偏差値が58と言われています。
通関士は自己採点していないので得点が分かりませんが、初回の一発合格でした。
ただ、電験三種の方が圧倒的に苦労しましたので、その人の背景で試験の難易度は変わってきます。

いくら電験を合格できる知識があっても、ノー勉で学科試験はパスできないでしょう。

ましてや、練習なしでは技能試験にはまず受かりません。
管理人の所感
電工試験は過去問と同じような問題が出ますが、電験三種はコピー問題は出ません。
電験の計算問題は特に過去問の解き方を覚えただけでは解けない、基礎力と応用力の両方が問われる問題ばかりです。
過去問を繰り返して解く必要性はどちらも共通していますが、電験三種は電気数学の基礎がないと絶対に合格できません。

ここが電験三種の難しさの主な理由です。
共通項
受けてから気付きましたが電験と電工は共通点が多いです。
第二種電気工事士
直近の問題にて第二種電気工事士は全50問のうち
理論の回路計算: 約5問
電力と機械の計算・論説問題: 2~3問
法規: 5~10問
合計すると電験三種の学習範囲と重なるところは全体の24~36%となり、けっこうなウェイトを占めます。
理論・電力・機械の計算もそうですが、低圧幹線の遮断器容量の計算などは細かい計算力が要求される問題もあります。
低圧の電気工事は法規科目と重複しているところが多い印象です。
第一種電気工事士
第一種電気工事士に関しては全50問のうち
理論の回路計算: 約5問
電力と機械の計算・論説問題: 7~14問
法規: 7~11問
合計すると電験三種との重複部分は全体の38~58%となり、第二種電工と比べてかぶるところが増えてきます。
法規は低圧電気工事が多かった二種と比べると電気設備技術基準、電気工事士法、電気工事業法、電気用品安全法など広範囲に渡って出題されています。
あとは第二種電工より電力と機械科目に出てきそうな論説問題がグンと多くなっています。
まとめ
こうやってみると第一種、第二種電気工事士ともに、電験の学習範囲と重なっている部分がかなりあります。
電験・電工両方を同年度に受ければ、2度学習する手間を少しだけ省けます。
電験三種を先に学習するメリット
学科免除
電験の免状があれば第一種および第二種電気工事士の学科試験を受験しなくても良くなります。
つまり、電気工事士の二次試験である実技試験だけパスできれば電気工事士に合格できる訳です。
学科試験を受験
管理人は同年受験だったので、学科免除のタイミングには間に合いませんでした。
でも、進相コンデンサや断路器などの調相器具や保護器を文字でしか見たことがなかったので、写真を見て勉強することができたのは大きかったです。
電験の参考書ではサラッとやるていどですし。

それに、電気器具や工事にフォーカスした問題にも触れることができました。

学科を受けなくても受験料は同じなので経験値としてはプラスになりますし。
デメリットとしては
- 参考書のコスト
- 学習時間を費やす
の2つですが、得るものもありました。
学科試験が楽
復習で点稼ぎ
電験三種とかぶっているところが多く、特に回路計算は電験で苦労した反面で電工学習では復習の範囲内でした。
電験を受けた後に問題を見ると、ビックリするくらい素直な問題だったのを覚えています。
また、電力・機械の計算や論説問題が出ますが、同年度の電験チャレンジャーにとっては基本的なものばかりです。
あとは、ほとんど機械・器具の暗記ばかりでしたので正直『ラクちん』でした。

技能試験に向けて
電工1種・2種を受けた年は電験三種の法規も受験しています。
どちらも電験の試験後約1ヶ月しかありませんでしたが、1日1~2時間程度の学習で十分でした。

ですが、後半の2週間は「たぶん大丈夫!」という感じで、学習はサクサク進みました。
その頃には次の技能試験に向けて器具購入などの目星を付けていたくらいです。
意味不明な複線図
ただ、電工2種の学科受験時に複線図だけは全く理解できませんでした。
そんな状態で受験しましたが、出ても1問か2問なので問題ありません。
ですが、複線図を書けないと技能試験では通用しないので、どのみち覚える必要はあります。
電工を取得する必要性
電験は管理者なので一人いれば十分です。
ですが、実際に現場で作業する電気工事士はたいてい複数人が必要だったりします。
それに実際に作業する電工の方が電験より「つぶし」が効くのはあります。
そういう意味もあって取得しました。

でも、長い人生のどこで役に立つか分かりません。
なので、取りやすい時に受験したというところが大きいです。
まとめ
電工→電験三種と難易度順に受験した方が良いのかは人それぞれです。
私は電験三種→電工と受験して学科試験は電験の延長線上で取れたので、この順番は時短になったと感じています。
精神的にも最初の大きい山(電験三種)を越えれば、あとの電工受験はあるていど楽できましたし。
電験を受験される方は電工との同年度の併願を検討してみてはいかがでしょうか。